
「戦車のような恐竜」として知られるアンキロサウルスは、恐竜の中でもトップクラスの防御力を誇る存在です。
その全身は硬い装甲板に覆われ、巨大なハンマーのような尾の武器で敵に立ち向かいます。
ゲームやアニメでも「防御型」の象徴として描かれることが多く、まさに「動く要塞」のような姿がカッコイイですね!

尾の構造
アンキロサウルスの最大の特徴のひとつが、ハンマーのような尾です。
尻尾の根元は自由に動きますが、中央から先は硬い骨が連なり、先端には「尾錘(びすい)」と呼ばれる大きな骨の塊が付いています。
まさしくハンマーのような構造ですね。
尻尾には強力な筋肉が付いており、高速で振り回すことが可能だったと考えられています。
ある研究では、尾による打撃力は約2,000〜3,000ニュートンと推定されています。
これは、時速50キロの軽自動車がぶつかるほどの衝撃に相当するとされ、
一般的な肉食恐竜には深刻なダメージを与えることができたでしょう。
小型の肉食恐竜なら、命を落とすこともあったかもしれません。

オス同士の争い
この尾は、肉食恐竜から身を守るだけでなく、同種間の争いにも使われていた可能性があります。
たとえば、立派な角を持つシカがメスを巡ってオス同士で争うように、アンキロサウルスもオス同士で喧嘩していたかもしれません。
直接武器として使わなくても、クジャクの羽のように見せびらかしてメスにアピールしたり、ゴリラが胸を叩くように、尻尾で地面を叩いて力を誇示するなど、コミュニケーションの手段だった可能性もあります。
研究史
「アンキロサウルス(Ankylosaurus)」という名前は、「連結したトカゲ」という意味で、“Ankylos”=繋がって曲がらない、 “saurus”=トカゲ に由来します。
これは、体の装甲が一体化していることにちなんで名付けられました。
1908年に最初の化石が発見されて以来、多くの装甲恐竜(アンキロサウルス科)が知られていますが、アンキロサウルスはその中でも最大級の種です。
意外なことに、アンキロサウルスの全身骨格はまだ完全には見つかっておらず、四肢、尾の一部、骨盤、胸骨などには不明な点も残されています。
そのため、映画や図鑑で見られる姿は、近縁種(例:エウオプロケファルスなど)の特徴をもとに復元されています。
分類
恐竜
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- 獣脚類
- 竜脚形類
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- ノドサウルス科
- アンキロサウルス科
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-
アンキロサウルス
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- 周飾頭類