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鼻先にツノを持つ、まるで怪獣のような見た目の肉食恐竜。
体は細長く、長い尾を使ってバランスをとりながら、素早く走っていたと考えられています。
顔のツノ
ケラトサウルスの最大の特徴のひとつが、頭部に生えた3本のツノです。1本は鼻の先に、残りの2本は目の上に位置しています。
これらのツノは、一見すると戦いに使われそうですが、大きさや強度的に、実際には「飾り」としての役割が大きかったと考えられています。
ニワトリのとさかのように、仲間に自分の強さをアピールしたり、異性を引きつけるために使っていたのでしょう。
ツノの形や大きさに個体差があることも、こうした仮説を裏付けています。
皮骨
ケラトサウルスは、肉食恐竜としては非常に珍しく、「皮骨」と呼ばれる骨の板を皮膚の中に持っていたとされています。
皮骨は、アンキロサウルスなどにも見られる構造で、体表を覆う鎧のような役割を果たします。
ケラトサウルスでは、この皮骨が背骨にそって一列に並んでいたと考えられています。
特筆すべきは、肉食恐竜でこのような皮骨が確認されているのはケラトサウルスだけという点です。
カルノタウルスのように皮膚上に装甲板のようなうろこを持つ恐竜はいますが、ケラトサウルスのような明確な皮骨板があった例は、現在のところ他に知られていません。
この特徴は、ケラトサウルスが他の肉食恐竜とは異なる進化の道を歩んでいたことを示す、非常に重要な証拠とされています。

Jens Lallensack, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
食性
ケラトサウルスの化石は川や湖の近く、水辺の環境から発見されることが多いことから、彼らは水辺を好んで生活していた可能性があります。獲物としては、小型の恐竜だけでなく、魚や水辺にすむ小動物も含まれていたと考えられています。
顎の構造や歯の形も、魚をとらえて食べるのに適していたという説があり、ケラトサウルスはジュラ紀の「水辺のハンター」として、独自のニッチを築いていたのかもしれません(ニッチ分割)。
研究史
ケラトサウルスという名前は、ギリシャ語で「角のあるトカゲ(Cerato=角、Saurus=トカゲ)」という意味です。
1884年、アメリカの古生物学者オスニエル・チャールズ・マーシュによって命名されました。
化石が発見されたのは、恐竜化石の宝庫として知られる「モリソン層」。
この地層では、アロサウルスなどの他の肉食恐竜も見つかっており、ケラトサウルスは彼らと同じ時代を生きていたと考えられています。
アロサウルスよりも小柄で軽快な体つきのケラトサウルスは、直接対決を避けながら、異なる獲物や活動時間を選ぶなどして、すみ分けて生活していた可能性があります。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- テタヌラ類
- スピノサウルス科
- ティラノサウルス科
- ドロマエオサウルス類
- ケラトサウルス類
- アベリサウルス科
- ケラトサウルス科
-
ケラトサウルス
-
- テタヌラ類
- 竜脚形類
- 獣脚類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類