
クリオロフォサウルスは、南極で初めて発見された肉食恐竜で、頭部の“トサカ”が特徴ですね。
「エルビス・サウルス」というニックネームもつけられた、不思議でかっこいい恐竜です。

トサカ
最大の特徴は、最大の特徴は、頭の上に横向きに広がる、ユニークな形のトサカ(頭飾り)です。骨でできたこのトサカは左右に広がる形状で、他の恐竜には見られない独特なシルエットをつくっています。
このトサカは戦いの道具ではなく、おそらく仲間へのアピール(視覚的信号)やオス同士の誇示行動に使われていたと考えられています。

食性
クリオロフォサウルスは肉食性の恐竜で、主に当時の小型~中型の植物食恐竜や爬虫類、場合によっては死肉なども食べていたと考えられています。
南極といっても、当時の気候は現在よりもずっと温暖で、森林が広がり、生態系も豊かでした。
そのような環境の中で、クリオロフォサウルスは俊敏に動き、鋭い歯とツメを使って獲物を捕らえていたと考えられています。
研究史
「クリオロフォサウルス」という名前は「冷たいトサカのトカゲ」という意味で、1991年にアメリカと南極の共同調査隊が、南極のカークパトリック山で化石を発見しました。
厳しい天候(風、氷雪)の中での高山発掘は非常に過酷で、その困難さからこの恐竜の発見は「極地の大冒険」として語られています。
面白いことに、その独特なトサカの形が1950年代のロックスター、エルビス・プレスリーの髪型(リーゼント)に似ているとして、「エルビス・サウルス」という愛称が生まれました。
G.Lanting, CC BY-SA 4.0,
via Wikimedia Commons
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
-
- コエロフィシス類
- ディロフォサウルス
-
クリオロフォサウルス
- ケラトサウルス類
- テタヌラ類
- スピノサウルス科
- ティラノサウルス科
-
- 竜脚形類
- 獣脚類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類
氷の妖精と呼ばれる「クリオネ」と、冷たいトサカと言う意味の「クリオロフォサウルス」の【クリオ】は同じ語源かなと思って調べてみたら全然違いました