
ディプロドクスは、非常に長い首と尾を持つ細身の草食恐竜です。
竜脚類の中でも特にスリムな体型が特徴で、見た目のインパクトも抜群です。
首は一見すると高い木の葉を食べるのに適しているように見えますが、実際には横方向に動かして低木やシダ植物を食べていたとする研究もあります。

武器や防御手段
ディプロドクスは、肉食恐竜に対して積極的に戦うタイプではありませんでした。
その巨体そのものが防御手段となっていたのです。
特に尻尾は非常に長くしなやかで、ムチのように振るって敵に対抗していたと考えられています。
一部の研究では、尻尾の先端が音速を超える速度で振るわれていた可能性があるとも言われています。
この尻尾は、敵に直接打ち付けるだけでなく、音速を超えることで「スナップ音」を鳴らして威嚇していたという説もあります(諸説あり)。

Lee Ruk from North Tonawanda, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
名前の由来
「ディプロドクス(Diplodocus)」という名前は、「二重の梁(はり)」という意味です。
これは、尻尾の下にある骨が一般的な恐竜とは異なり、2本の細長い骨が左右に分かれていたことに由来します。
この特殊な骨の構造は、長くて重たい尻尾を支えるための仕組みだったと考えられており、多数の筋肉が付着していたことで、尾をしなやかかつ強力に動かすことができたとされています。
User:Ballista, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
食性と生態
ディプロドクスは植物食恐竜で、長い首を使って広範囲の植物を効率よく食べていました。
歯は鉛筆のような形をしており、葉や枝を剥ぎ取るのに適した構造です。
ジュラ紀の北アメリカには、アパトサウルスやブラキオサウルスなど、他にも多くの大型植物食恐竜が生息していました。
しかし、それぞれが異なる高さの植物を食べることで、食物資源の競争を避けていたと考えられています。

James St. John, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
研究史
最初の化石は1877年、アメリカ・コロラド州で発見されました。
発見者は古生物学者のO.C.マーシュで、当時は「骨戦争(ボーン・ウォーズ)」と呼ばれる恐竜発見競争の真っ只中でした。
1905年には、アメリカの鉄道王アンドリュー・カーネギーの支援により、ディプロドクスの化石複製がヨーロッパ各地の博物館に贈られました。
これにより、ディプロドクスは「世界で最も広く知られる恐竜」のひとつとなったのです。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 竜脚類
- ティタノサウルス科
- マメンチサウルス科
- ブラキオサウルス科
- ディプロドクス科
- アパトサウルス
-
ディプロドクス
- 竜脚類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類
トップ画像に使っている後ろからの構図かっこよくないですか!?
2025年カレンダー用にデザインしたものの使い回しなんですが、かなり気に入ってます