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フクイラプトルは、現在の日本国内で見つかった恐竜の中で初めて名前が付けられた恐竜です。
手足や部分的な頭骨、背骨の一部が発見されて、なぞ多き獣脚類「メガラプトル類」に分類されています。
日本初の恐竜
実は日本人が初めて発見して命名した恐竜は「ニッポノサウルス」というハドロサウルス科(カモノハシ竜)の恐竜です。
1934年に発見され、1936年に発表されました。
しかし、この恐竜が発見されたのは北海道の北にある樺太(からふと)という島です。
ここは当時は日本の領土でしたが、今はロシア連邦の島になっています。
そこで2000年に発表されたフクイラプトルが「現在の日本」で最初に見つかった恐竜ということになります。
ちなみに日本で見つかる恐竜のほとんどは「植物食恐竜」です。
その中でフクイラプトルは数少ない国産肉食恐竜としても貴重な存在と言えます。
体格
フクイラプトルは、鋭く大きな手の爪を持っていたのが特徴です。
この爪は、獲物をつかまえたり引き裂いたりするのに使われていたと考えられています。
また、体のつくりから動きがすばやく、俊敏に動ける中型の肉食恐竜だったとされています。
素早く走りまわって、小型の恐竜や小動物を追いかけていたのでしょう。
ただし、骨の成長線を分析した結果、発見された個体はまだ成長途中の若い恐竜だったことが判明し、実際の成体はもっと大きかった可能性も指摘されています。

Eight heads serpent, CC0, via Wikimedia Commons
分類
発見当初、その骨の特徴から「カルノサウルス類」と呼ばれる、大型肉食恐竜グループの一員だと考えられていました。これは、アロサウルスのような比較的原始的な大型獣脚類と似た特徴が見られたためです。
2000年代以降、オーストラリアや南米で見つかった「メガラプトル類」と呼ばれる新しいタイプの肉食恐竜との共通点が指摘されるようになります。たとえば、細長い手足の骨や、大きく湾曲したかぎ爪などの特徴が、フクイラプトルと非常によく似ていたのです。
これらの新発見と比較研究により、フクイラプトルは従来のカルノサウルス類ではなく、より進化的に特殊なメガラプトル類の一種と考えられるようになりました。
そして近年では、メガラプトル類そのものがアロサウルス類ではなく、コエルロサウルス類の一員であり、特にティラノサウルス類に近い系統に属する可能性が高いという説が有力となっています。
ただし、まだ完全には解明されておらず、メガラプトル類の正確な分類については今も研究が続けられています。
研究史
フクイラプトルは、1989年に福井県勝山市の北谷層で発見された肉食恐竜の化石から始まりました。
鋭いツメをもつ前あしや歯などの化石が見つかり、当初はアロサウルスに近い恐竜と考えられていましたが、詳しい調査の結果、これまで知られていない新種であることが判明。
2000年に「福井の略奪者」という意味の学名「フクイラプトル・キタダニエンシス」として正式に命名されました。
この発見は、日本における恐竜研究の大きな一歩となり、福井県立恐竜博物館の設立にもつながりました。
【福井県立恐竜博物館】
Totti, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
DannyWithLove, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
先従隗始, CC0, via Wikimedia Commons
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- ケラトサウルス類
- テタヌラ類
- アロサウルス上科
- コエルロサウルス類
- ティラノサウルス科
- ドロマエオサウルス科
- メガラプトル類
- メガラプトル
- マイプ
-
フクイラプトル
- 竜脚形類
- 獣脚類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類





肉食なのにつぶらな瞳で日本っぽいなって思いました
私の気持ちが反映されちゃったかも?