
頭に「斧(おの)」のような奇妙な形のとさかを持つランベオサウルス。
恐竜研究の初期から知られる重要な種類で、「カモノハシ竜(ハドロサウルス科)」の中でもとさかのバリエーション研究の鍵を握る存在です。

頭のとさか
ランベオサウルスの最大の特徴は、中空構造のとさかです。
このとさかは鼻の通り道とつながっており、かつては「水中生活用のシュノーケル」と誤解されたこともありました。
現在では、以下のような役割が考えられています。
- 音の共鳴によるコミュニケーション
- 視覚的なサインとしての仲間へのアピール
- 性的アピール(オスとメスで形状が異なる可能性)
とさかは成長に伴って大きくなり、個体によって形状が異なることが分かっています。
また、形状が2パターンに分かれることから、性差による違いがあった可能性も指摘されています。

ランベオサウルスの仲間
ランベオサウルスには、以下の2種が確認されています。
- ランベオサウルス・ランベイ(Lambeosaurus lambei)
→ 一般的に「ランベオサウルス」と言えばこの種を指します。 - ランベオサウルス・マグニクリスタトゥス(L. magnicristatus)
→ より大型で、直立した大きなとさかを持つ種です。

Sternberg, C M, OGL-C 2.0, via Wikimedia Commons
また、メキシコで発見されたマグナパウリア(Magnapaulia)は、かつてランベオサウルスの巨大な個体と考えられていました。
現在では別属とされており、共通の祖先から分岐して南方で独自に進化したと考えられています。
さらに、パラサウロロフス、チンタオサウルス、コリトサウルスなど、独特な形状のとさかを持つカモノハシ竜たちは、ランベオサウルス亜科(Lambeosaurinae)というグループに分類されています。
研究史
「ランベオサウルス(Lambeosaurus)」という名前は、カナダの古生物学者ローレンス・ランベ博士にちなんで名付けられました。
意味は「ランベ博士のトカゲ」です。
最初の化石はカナダ・アルバータ州で発見され、後にアメリカでも化石が見つかっています。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- イグアノドン科
- ヒプシロフォドン科
- ハドロサウルス科
- ハドロサウルス亜科
- ランベオサウルス亜科
- パラサウロロフス
- チンタオサウルス
- マグナパウリア
-
ランベオサウルス
- 周飾頭類
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