
ナストケラトプスは、まるで牛のように前方へ突き出た大きな角と、丸くて短い鼻面が特徴の角竜です。
比較的最近発見された恐竜ですが、映画『ジュラシック・ワールド』シリーズにも登場し、その個性的な顔立ちで観客の目を引きました。

特徴や生態について
ナストケラトプスは、トリケラトプスの仲間である角竜類に属します。
最大の特徴は、目の上から前方に伸びる2本の大きな角。
これらの角は、現代のウシやバッファローのように前方へ湾曲しており、他の角竜とはひと味違ったシルエットを描いています。
また、アヴァケラトプスとともに「ナストケラトプス族(Nasutoceratopsini)」という新しい分類群に含まれ、当時の北米南部における角竜の進化や分布を理解するうえで、重要な手がかりとなっています。

M. A. Loewen, J. J. W. Sertich, S. Sampson, J. K. O’Connor, S. Carpenter, B. Sisson, A. Øhlenschlæger, A. A. Farke, P. J. Makovicky, N. Longrich & D. C. Evans, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons
大きな鼻骨
ナストケラトプスの鼻から顔の前部は、他の角竜と比べて上下に高く、短く構成されています。
この骨格の形状は、咀嚼時の力の伝達を強化する構造だったと考えられています。
特に、下顎の関節(力点)に咀嚼の力が近づくことで、強い咬合力(かみしめる力)が得られやすくなるのです。
その他にも、以下のような説が提唱されています。
- 呼吸を助けていた
- 声を響かせていた
- メスへのアピールだった

ただし、匂いを感じ取る器官(嗅球)はもっと後方に位置しているため、鼻が大きいからといって嗅覚が特別に優れていたとは限らないと考えられています。
雑学・逸話・研究史
「ナストケラトプス(Nasutoceratops)」という名前は、「大きな鼻を持つ角の顔」という意味のラテン語に由来しています(”nasutus”=大きな鼻、”ceratops”=角のある顔)。
この恐竜は、2006年にアメリカ・ユタ州の「グランドステアケース=エスカランテ国定記念地」で初めて発見され、2013年に新種として正式に記載されました。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- プロトケラトプス科
- プシッタコサウルス科
- ケラトプス科
- カスモサウルス亜科
- セントロサウルス亜科
- スティラコサウルス
- シノケラトプス
- ナストケラトプス族
- アヴァケラトプス
-
ナストケラトプス
- 堅頭竜類
- 角竜類
- 装盾類
- 剣竜
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類
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