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「五本の角のある顔」という意味の名前を持つ、トリケラトプスの仲間の角竜です。
その名の通り、顔には立派な角が備わっており、後頭部には角竜類の中でも最大級のフリルを持つ、非常に派手な外見の恐竜です。
ギネス級の顔
ペンタケラトプスの最大の特徴は、驚くほど大きな頭骨です。
フリルを含めた頭の長さは最大で3メートル近くに達すると推定されていて、これはティラノサウルス・レックスの頭骨(約1.5〜1.7メートル)の倍近いサイズです。
かつては、3.2メートルにもなる巨大な頭骨が発見され、「既知の陸生動物の中で最大の頭蓋骨」としてギネス世界記録に認定されたことがあります。
しかし、その後の研究で、この記録保持者の標本はペンタケラトプスとは別の新種「ティタノケラトプス」として再分類されることになりました。
記録こそ新種に譲ったものの、ペンタケラトプス自身もフリルを発達させた最大級の頭骨を持つ角竜でであることに変わりはありません。
5本のツノ
ペンタケラトプスの学名は、古代ギリシャ語で「五本角の顔」という意味です。
しかし、目立った角は「三本角の顔」という名のトリケラトプスと変わらないように見えますね。
実際に“角”と呼べるのは、目の上の2本と鼻の上の1本の、計3本です。
残りの2本は、頬にある頬骨突起(きょうこつとっき)と呼ばれる骨の突起です。
この突起が非常に長く鋭く発達していたため、発見者はこれらも含めて顔に5本の角があると見なし、「ペンタケラトプス」と名付けたのです。
生息地と当時の環境
ペンタケラトプスの化石が多く見つかっているのは、北アメリカのニューメキシコ州、カートランド累層という地層です。
ペンタケラトプスは、当時この地で共存していたエドモントニアや、時期が近いパラサウロロフスといった草食恐竜たちとともに、ティラノサウルス科の肉食恐竜(ダスプレトサウルスやその近縁種)などの脅威にさらされながら生活していたと考えられています。
このような環境の中で、ペンタケラトプスはその巨大なフリルや角を活かして、捕食者への威嚇や仲間とのコミュニケーションを行っていたのかもしれません。
研究史
ペンタケラトプスの最初の化石は、1923年に著名な化石ハンターであるチャールズ・ヘイゼリアス・スタンバーグによって、ニューメキシコ州のサン・フアン層で発見されました。

Tylomike, Public domain, via Wikimedia Commons
その後、ティラノサウルスの名付け親として有名な古生物学者であるヘンリー・フェアフィールド・オズボーンによって記載され、「ペンタケラトプス」と命名されました。

Fowler, Evanston, No restrictions, via Wikimedia Commons
また、1941年にニューメキシコ州で発見された非常に大きなペンタケラトプスの頭骨とされる標本がありましたが、その後の再調査で、これはペンタケラトプスではなく、トリケラトプスにも匹敵する新種の大型角竜「ティタノケラトプス」であると判定されました。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- ケラトプス科
- セントロサウルス亜科
- セントロサウルス
- スティラコサウルス
- カスモサウルス亜科
- トリケラトプス
- カスモサウルス
-
ペンタケラトプス
- セントロサウルス亜科
- ケラトプス科
- 堅頭竜類
- 角竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類

