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翼を広げれば小型飛行機サイズ。地上に立てばキリンに匹敵する大きさ。
ケツァルコアトルスは、地球史上最大級の空飛ぶ生物です。
規格外のサイズ
ケツァルコアトルスの最大の特徴は、何と言ってもその圧倒的な大きさです。
翼を広げた長さは10メートルを超え、これは現在最大の鳥であるワタリアホウドリ(約3メートル)の3倍以上にもなります。
これほど巨大でありながら、骨の内部は鳥のように空洞で非常に軽く、体重は約180~250Kg程度だったと推定されています。
ちなみに、背の高さが同等のキリンの体重は、オスだと1900Kgもあるそうです。
この「軽さ」こそが、巨大な体を空に浮かべるための絶対条件でした。
食性
かつての翼竜は「カモメのように水辺で魚を捕っていた」と考えられていましたが、ケツァルコアトルスの生活スタイルはそれとは大きく異なっていたようです。
長い首と鋭いクチバシ、そして地面を歩くのに適した前肢の構造から、現在では「地上のハンター」だったという説が有力です。
現代のアフリカに生息する「サギ」や「ツル」のように、長い脚で地上を歩き回り、通りがかった小型の恐竜や動物を丸呑みにしていたと考えられています。

Laitche, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
空を飛べたのか
「これほど巨大な体がどうやって飛び上がったのか?」という疑問は、長年古生物学者たちを悩ませてきました。
最新の研究では、鳥のように足の力だけで跳ね上がるのではなく、手足すべてを使って地面を強く蹴り出すことで、一気に離陸したと考えられています。
強力な前肢の筋肉をバネのように使って非常に大きな推進力を生み出し、空へ舞い上がっていたようです。
一度空へ出れば、巨大な翼を利用して上昇気流に乗ることで、大陸間を移動できるほどの長距離飛行もできた可能があります。
研究史
「ケツァルコアトルス」という名前は、アステカ神話に登場する翼を持つ蛇の神「ケツァルコアトル」に由来します。
最初の化石は1971年、アメリカ・テキサス州のビッグ・ベンド国立公園で、当時大学院生だったダグラス・ローソンによって発見され、1975年に「ケツァルコアトルス・ノルトロピ」と命名されました
それまで見つかっていたどの翼竜よりも巨大な骨に、当時の古生物学界は大きな衝撃を受けました。
その後1990年代に半分程度のサイズの新種が発見され、2021年に「ケツァルコアトルス・ローソニ」という名で発表されています。

SlvrHwk, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
分類
爬虫類
- 双弓類
- 鱗竜形類(トカゲ、ヘビ、モササウルスなど)
- 主竜形類
- 主竜類
- 偽鰐類(ワニ類)
- 鳥頸類
- 翼竜目
- 嘴口竜亜目(ランフォリンクス亜目)
- ランフォリンクス科
- ディモルフォドン科
- 翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)
- プテラノドン科
- アズダルコ上科
- アズダルコ科
- ハツェゴプテリクス
-
ケツァルコアトルス
- アズダルコ科
- 嘴口竜亜目(ランフォリンクス亜目)
- 恐竜
- 竜盤目(ティラノサウルスなど)
- 鳥盤目(トリケラトプスなど)
- 翼竜目
- 主竜類
