
背中にずらりと並んだ大きな骨の板と、しっぽに生えた鋭いトゲ。
ステゴサウルスは、その独特な見た目で子どもから大人まで人気の恐竜です。
アニメや図鑑、映画などでもたびたび登場し、「変わった恐竜代表」として親しまれています。
しかし、実はこの恐竜、まだまだ謎が多い存在でもあるのです。

背中の骨板
ステゴサウルスの背中には、左右交互に配置された大きな板(プレート)が並んでいました。
このプレートには細かい血管が通っていたことが分かっています。
風で冷やして体温調節をしたり、色の変化で敵を威嚇したり、メスへのアピールに使われたのではないかと考えられています。

武器
ステゴサウルスのしっぽには、鋭いトゲ(サゴマイザー)が生えており、強力な武器として使われていたと考えられています。
肉食恐竜に襲われた際、しっぽを振って反撃し、実際にこのトゲで傷つけられた跡のある化石も発見されています。
背中のプレートも、敵を威嚇したり、仲間とのコミュニケーションに使われる「見せる防具」だった可能性があります。
脳のサイズ
ステゴサウルスの脳は、体に比べて非常に小さく、クルミほどの大きさしかありません。
重さもわずか約70グラムと推定されており、かつては「最も愚鈍な恐竜」と呼ばれることもありました。
19世紀末、研究者たちはステゴサウルスの腰のあたりに大きな神経のふくらみ(腸骨部神経腔)を発見し、これを「第二の脳」ではないかと推測しました。
「小さな脳だけでは体を動かせないから、腰にも脳があったのだろう」と考えられたのです。
しかし現在では、この部分は神経が集まる場所(神経節)に過ぎず、「脳」と呼べるような判断力を持つ器官ではないことが分かっています。
この構造は、現代の鳥や爬虫類にも見られるもので、ステゴサウルスだけの特異な能力ではないとされています。
つまり、「ステゴサウルスに第二の脳があった」という説は、現在では否定されているのです。
脳が小さかったのは確かですが、それだけで「愚鈍」と決めつけるのは誤りで、草食動物として必要な知能は十分に備えていたと見なされています。
実際、天敵であるアロサウルスの化石には、ステゴサウルスによって付けられたとされる傷跡も見つかっており、脳のサイズと運動能力は必ずしも一致しないという興味深い事例です。

研究史
「ステゴサウルス(Stegosaurus)」という名前は、「屋根トカゲ」という意味です。
これは、最初に発見された際、背板が体を覆っていると誤解されたことに由来します。
19世紀末、アメリカの古生物学者オスニエル・チャールズ・マーシュによって命名され、「骨の戦争(ボーン・ウォーズ)」と呼ばれる時代の象徴的な恐竜となりました。
初期の復元図では、背板が横一列に並べられていましたが、のちに「左右交互にジグザグに並んでいた」ことが判明し、姿も大きく修正されました。
また、ステゴサウルスはコロラド州の「州の化石」にも指定されており、アメリカを代表する恐竜のひとつとして広く知られています。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- ステゴサウルス科
- ケントロサウルス
- ヘスペロサウルス
-
ステゴサウルス
- ファヤンゴサウルス科
- ステゴサウルス科
- 曲竜類
- 剣竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類
私のSNSアカウントのアイコンはステゴサウルスです。
他のどの動物にも似てない、素晴らしいデザインだと思うんです☺️