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首は長くないけど、プレシオサウルスに代表される「首長竜」の仲間です。
巨大な頭部と強靭な顎を持ち、ジュラ紀の海洋生態系の頂点に立つ最強の捕食者でした。
海の最強ハンター
プリオサウルスの最大の特徴は、体長の約4分の1を占めることもある巨大な頭部です。
その顎には鋭く太い歯が並び、噛む力(咬合力)は非常に強力で、あのティラノサウルスを超えるという説もあります。
魚類やイカだけでなく、自分より小柄な首長竜や魚竜さえも獲物にする、まさに「ジュラ紀の怪物」と呼ぶにふさわしい強さを持っていました。

Ghedoghedo, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
プレデターX
2006年から2008年にかけて、ノルウェーのスヴァールバル諸島で驚くほど巨大なプリオサウルスの化石が発見され、正式な学名が決まるまで「プレデターX」という仮称で呼ばれ、世界中で大きな話題となりました。
当初は全長15メートル以上という推測もありましたが、その後の調査で現在は10〜12メートル程度に落ち着いています。

ДиБгд, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
モササウルスとの違い
モササウルスと外見が似ていますが、全くの他人の空似です。
モササウルスは「トカゲの仲間」が海に適応した生物ですが、プリオサウルスは「首長竜の仲間」です。「首が短いのに首長竜?」と思うかもしれませんが、進化の過程で「首を短く、頭を大きく」してパワー特化型になったタイプなのです。
この違いにより、泳ぎ方のスタイルに大きな差がありました。
モササウルスは魚やワニのように左右にくねらせて泳いでいましたが、プリオサウルスはウミガメのように4枚のヒレを羽ばたかせるようにして泳いでいました。
また、モササウルスは白亜紀、プリオサウルスはジュラ紀と、生きていた時代も8000万年ほど差があります。
このように、全く違う生物が似たような姿に進化したということは、この形が「海の王者」に適したスタイルだったということが言えるでしょう。

Rept0n1x, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
複数の種
プリオサウルスに属する種はたくさんいます。
再分類が進んでいてややこしいですが、種ごとの特徴をシンプルに整理すると以下の感じのようです。
■ brachydeirus(ブラキデイルス)
- 最も古くから知られる代表種(模式種)
- 比較的小型(約6〜8m)
- 頭骨は大きいが、後の種ほど極端ではない
■ funkei(フンケイ)※プレデターX
- ノルウェー(スヴァールバル)産
- 最大級クラス(約10〜13m)
- 非常に巨大な頭部と歯
■ carpenteri(カルペンティリ)
- イギリス産
- 非常に長い頭骨(2m以上)
- 歯が特に太く強靭
■ kevani(ケヴァニ)
- イギリス産
- 比較的最近記載された種
- 頭骨は長く、細身な印象
■ macromerus(マクロメルス)
- かなり昔に命名された種
- 現在は分類が不確実(疑問種扱いのことも多い)
■ rossicus(ロッシクス)
- ロシア産
- 比較的スリムで俊敏な初期タイプ
■ westburyensis(ウエストブリュンシス)
- イギリス産
- 初期のプリオサウルスの一種
- 比較的小型で原始的特徴を持つ

Eotyrannu5, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
研究史
プリオサウルスという名前は、ギリシャ語で「よりトカゲに近い(Pli=より近い、Saurus=トカゲ)」という意味です。
これは、発見当時の研究者が「この動物は、他の首長竜よりもさらに現代の爬虫類(トカゲなど)に近い特徴を持っている」と考えたことに由来します。
1841年、イギリスの有名な古生物学者リチャード・オーウェン(「恐竜(ダイナソー)」という言葉を作った人物)によって命名されました。
その後、イギリスで見つかった非常に保存状態の良い頭骨化石や、先述のスヴァールバル諸島での発見など、21世紀に入っても新しい発見が相次いでいます。
特に頭骨の化石は、CTスキャンなどの最新技術によって脳の形や感覚器官の仕組みまで解析が進んでおり、彼らがどのように海中で獲物を探知していたのか、その謎が少しずつ解明されつつあります。
分類
爬虫類
- 双弓類
- 魚竜形類
- 鱗竜形類
- トカゲ類
- ヘビ類
- モササウルス類
- 鰭竜類
- 首長竜目
- プレシオサウルス亜目
- プリオサウルス亜目
- プリオサウルス科
- リオプレウロドン
- クロノサウルス
-
プリオサウルス
- プリオサウルス科
- 首長竜目
- 主竜形類(恐竜、翼竜、ワニなど)