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映画での大活躍によって一躍スターとなった、巨大で獰猛な「海の絶対王者」
トカゲやヘビに近い仲間でありながら、クジラのように海中生活に完全適応し、当時の生態系の頂点に君臨していました。
海の絶対王者
モササウルスは、白亜紀後期の海に君臨していた最強の捕食者でした。
流線型の巨大な体と、力強い尾びれを使って水中を自在に泳ぎ回っていたと考えられています。
獲物は魚やアンモナイト、ウミガメ、さらには他の小型の海棲爬虫類まで多岐にわたり、強力な顎と鋭い歯であらゆる獲物を仕留めていた「海のティラノサウルス」のような存在です。
トカゲの仲間
恐竜映画や恐竜図鑑に登場するモササウルスですが、彼らは恐竜ではありません。
恐竜がワニに近いグループであるのに対し、モササウルスはトカゲやヘビに近い「有鱗目(ゆうりんもく)」というグループに属する海棲爬虫類です。
もともとは陸上に住んでいたトカゲの仲間が、長い年月をかけて海での生活に適応し、次第に巨大化していったと考えられています。
前後の四肢は泳ぐためのヒレ状へと変化し、骨の密度が高まることで潜水しやすくなるなど、水中生活に特化した進化を遂げました。
また近年の研究では、モササウルスは卵を産むのではなく、現代のクジラや一部のヘビと同じように子を直接産む「胎生」であった可能性が極めて高いとされています。

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二段構えの顎
モササウルスの最大の武器は、獲物を逃さない強力な顎です。
彼らの口の中には、通常の歯の他に、喉の奥(口蓋)にもう一列、「翼状骨歯(よくじょうこつし)」と呼ばれる歯が生えていました。
この二段構えの歯によって、一度かみついた獲物が暴れても、口の奥へ奥へと引きずり込み、決して逃がさない仕組みになっていました。
さらに、ヘビのように顎の関節を柔軟に動かすことができたため、自分の頭よりも大きな獲物も丸呑みにできたと言われています。

研究史
モササウルスの名前は、ギリシャ語で「マース川のトカゲ」を意味します。
これは、1764年にオランダのマーストリヒト付近にあるマース川沿いの採石場で、最初の化石(巨大な顎の骨)が発見されたことに由来しています。

当時はまだ「恐竜」という概念すら存在せず、この化石は「マーストリヒトの怪物(Great Animal of Maastricht)」と呼ばれ、ワニなのか、クジラなのか、それとも巨大なトカゲなのか、学者たちの間で大きな論争を巻き起こしました。
そして1794年フランス革命戦争中に、ナポレオン率いるフランス軍がこの貴重な化石が戦利品としてパリへ持ち去ってしまいます。
その後1808年に、フランスの自然科学者・動物学者であり、「古生物学の創始者」と呼ばれるジョルジュ・キュビエが、「これは現代には存在しない、巨大なトカゲの仲間である」と結論づけ論文を記載。
1822年にウィリアム・D・コニベアによって「モササウルス」と命名されています。
そもそも「生物が絶滅する」という概念が一般的ではなかった時代において、この発見は衝撃的な出来事だったようです。
分類
爬虫類
- 双弓類
- 魚竜形類
- 鱗竜形類
- 有鱗目
- トカゲ類
- ヘビ類
- モササウルス上科
- ティロサウルス亜科
- プリオプラテカルプス亜科
- モササウルス亜科
- グロビデンス
- プロトサウルス
-
モササウルス
- 有鱗目
- 鰭竜類
- 首長竜目
- 主竜形類(恐竜、翼竜、ワニなど)

