3Dで見る
ステゴウロスは、南米チリで発見された小柄な鎧竜です。
全長2メートルほどと鎧竜の仲間にしてはかなり小さいのですが、独特な尻尾を持っています。
尻尾の武器
ステゴウロス最大の特徴は、平べったい皮骨が組み合わさったシダの葉のような形の尻尾です。
アンキロサウルスのハンマー状の尾とも、ステゴサウルスの鋭いトゲとも全然違います。
この独特な形は「マクアウィトル(Macuahuitl)」と呼ばれています。
これは古代アステカで使われた武器の名前です。
ステゴウロスのしっぽの形状がこの武器にそっくりなため、そう呼ばれるようになりました。
ステゴウロスも、アステカの戦士のようにこの武器を振り回して敵と戦っていたのでしょう。

Painted by an unknown tlacuilo. Scanned by the BML (Biblioteca Medicea Laurenziana)., Public domain, via Wikimedia Commons
複数の特徴を持つ体
白亜紀に繁栄した鎧竜(アンキロサウルスなど)。
ジュラ紀に栄えた剣竜(ステゴサウルスなど)。
この二つのグループを合わせて「装盾類」と言います。
ステゴウロスは、装盾類の中でもアンキロサウルスの仲間に属していて、頭骨の特徴はアンキロサウルス類的なものを示しています。
しかし胴体や脚の骨格はかなり原始的で、部分的にはステゴサウルス(剣竜)のような特徴も混じり合っています。
異なるグループの特徴が組み合わさったこの体つきは、鎧を持つ恐竜たちが最初期にどう進化したかを教えてくれます。
また、鎧竜も剣竜も主に北半球で多く見つかっています。
ステゴウロスは、装盾類が南半球で独自にどう枝分かれしていったかを解き明かすための、重要なヒントになります。

Alexander Vargas, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
研究史
学名の「ステゴウロス」はギリシャ語で「覆われた尾」という意味で、そのまま特徴的な尾の装甲からきています。
種小名の「エレンガッセン(elengassen)」は、チリ先住民のテウエルチェ族の神話に登場する甲羅を持つ怪物の名前にちなんでいます。
化石が見つかったのは2018年、チリ最南端のマガジャネス地方の白亜紀後期の地層から。
尾の先端から後ろ足、骨盤にいたるまで、生きていたときの姿勢をそのまま保つような状態で出てきました。
この発見によって、謎だらけだった南半球の鎧竜たちの姿が一気に具体的になり、恐竜の多様性の奥深さを改めて世界に示すことになったのです。
分類
恐竜
- 竜盤目
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 鳥盤目
- 周飾頭類
- 角竜類
- 堅頭竜類
- 装盾類
- 剣竜類
- 曲竜(鎧竜)類
- ユーアンキロサウルス(真鎧竜)類
- ノドサウルス科
- アンキロサウルス科
- パラアンキロサウルス類
- クンバラサウルス
- アンタークトペルタ
-
ステゴウロス
- ユーアンキロサウルス(真鎧竜)類
- 鳥脚類
- 周飾頭類